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24.12人の優しい日本人
作・演出=三谷幸喜
【キャスト】 浅野和之/石田ゆり子/伊藤正之/江口洋介/小日向文世/鈴木砂羽/筒井道隆/生瀬勝久/温水洋一/堀内敬子/堀部圭亮/山寺宏一
総合★★★★★ 演出★★★★★ 役者★★★★★ 美術★★★★★

 一言面白かった。そして素晴らしいコメディだった。

 映画はもう10年前に制作されているし、舞台に至っては15年ほど前になる。運良く両方見ている私だが、今回も文句無しに素晴らしかった。
 効果音も無い、音響も無い、照明効果、舞台展開も全くない、そして12人は全員ずっと出ずっぱり。
 こんなに前に初演されたとは思えないほど話題がタイムリーだし、笑いもこんなに風化しない戯曲は珍しい。
 1月11日、本当に運良く大阪公演シアタードラマシティーの一番前で観た私は、本当に素晴らしいモノを観たと断言させていただく。「おもろすぎるやないかっ」と心で何度も呟いていた舞台は本当に久しぶりである。

 映画ともほぼ同様の台詞なので展開は全て熟知しているし、映画版のキャストも良かったと断言出来ていたので、果たして新キャストはなどと思いはしていた。しかし、正直戯曲が素晴らしいため、自分で書かれた戯曲だが三谷さんも何の心配もなかったのだろうと予測する。
 役者さん達の方が何度も成功している舞台だけに、果たしてうまく行くのかと心配されたかもしれないが、誰をとっても何処にでもいる陪審員であったことも大きい。
 稽古前にはわざわざ三谷さん作で犯罪映像まで製作し、それを観た役者さんたちに実際に陪審員ごっこをさせていたりという事があったそうで、そこは三谷さんが役者を自由かつ意のままにあまりにも上手く、役者さんを操っていたように感じる。

 まずキャスト上は、気の弱いおじさん役が筒井さんに変更されていたところが大きな変更だったが、筒井さんの天然ぶりには誰も勝てないだろうと推測するので、あれは当たり役。   
 偽弁護士役は豊川悦治さんの役代わりで江口洋介さんがやられたのだが、舞台初登場とは思えない間合いぶり。キツく書けば、一人だけ「間」が違っていて観ているこっちがドキドキしたのだが、これは作戦だったのか???その分かなりリアルでしたね。
 やはり江口さんは格好よくて「やっぱ格好ええ感じにもっていったんやなぁ、ちょっと残念かなぁ」と思っていたが、最後に「実は、びびりながら弁護士を演じていたんですよ」と他の人達に台詞で言う役柄の設定だったので、最後の最後に気の弱さもチラッと見せられて「こんな気の弱さも演じる事が出来る役者なんや」と思った。

 舞台を観る前に一番気になっていたのは、映画版で一人有罪を言い続ける相島さんのハマり役だった中心的キャスト。今回は生瀬さんの配役だったが、いつもの彼独特のハイテンションな芝居は究極に押さえられ、いつもにない真摯な表情に驚いたし、ピッタリとハマっていた。今までの生瀬さんの中で一番。「メディア」よりもずっとずっと良いと思うな。(正直、「メディア」はいつ笑いを取ろうとされるのではと不信感で観ていた事を謝りたい 笑)

 そしておばさん役の元劇団四季の堀内敬子さんは、本来綺麗な人なので映画版で林さんのおばさん役はしんどいのではと思っていたが、三谷さんに発掘されたのか素晴らしい間合いでキーポイント役者。

 石田ゆり子さんは綺麗だけで充分だったが、この舞台はマイク無しの地声での舞台だったので、正直声量が一人だけ小さくて恐らく会場後ろの方には通じなかったかも。
 山寺さんの声優ぶりにはいつも感嘆していたが、俳優もピカイチ。
 温水さんはおもしろすぎる。
 堀部さんは、役柄上もっと話し合いに不真面目な感じでも面白かっただろうが、姉歯建築士の落書きには卒倒するほど笑った。
 いや、全て書かないがみなさん、役を掴みに掴んでいてホントに面白かった。鈴木さんだけが役柄の背景が見えない感じだったのが、惜しいと言えば惜しい。
 因に日向さんは、「自由劇場」時代から本当に好きな役者さんである。

 映画版では「若貴兄弟」で語られた時勢ネタは「琴欧州ネタ」に変えられ、なにがなんでも「相撲ネタ」にしたかった三谷さんに意地も見受けられ、そこにも笑った。

 前にも書いたが、三谷さんの舞台についてはいつもあまり書けない。
 それは私がファンだからという事はあると思うが、三谷ワールドは考えさせられる部分があるようで無い。これは褒め言葉である。
 それは全てが「コメディだから」という言葉で終われるからなのだが、批評潰しともいえる彼は確実に100年後にも名前が残る劇作家だと思う。

 しかし、どの三谷さん作品を観ても、「いつか三谷さんが舞台上に飛び出してくるのでは」といつも妄想してしまうのは一体何故なのだろう?(カーテンコールで場をさらって行く事はあっても、実際にそんな事は無いのだが)

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【2006/03/02 22:48】 | 三谷幸喜 | page top↑
5.オケピ
三谷幸喜/脚本・作詞・演出 出演:白井 晃/天海祐希/戸田恵子
総合★★★★☆ 演出★★★★☆ 役者★★★★☆ 美術★★★★☆ 

 オケピはミュージカルにしては最悪と、公演当初ネット評が次々と出ましたが、くそくらえ。わたしはあれは「三谷ミュージカル」というカテゴリーだと思っていますから何の問題もないです。
 だって楽しいじゃないですか、帰りの電車でオケピのテーマ音楽が口ずさめるんですよ。「これが〜オケピ〜、コレが〜オケピ〜」これで充分です。
 皆さん楽器を実際に弾きはしませんが、練習を一生懸命でやってたのがよくわかりますよね、そして楽しかった。一番光った役者さんは日向さんですかね。

 三谷さんの作品はほぼ全て面白い。三谷ワールドは云々するより、そういうカテゴリーだと思うべきです。
 「出口なし!」('94)、「君となら」('95、'97)、「笑の大学」('96、'98)、「温水夫妻」('99)「マトリョーシカ」('99)「オケピ!(初演)」(2000)、「バット・ニュース★グッド・タイミング」(2001)、「彦馬がゆく」(2002)、「You Are the TOP〜今宵の君」(2002)など。好きな作品は続々です。

 わたしはこの中では「笑の大学」が一番ですかね。映画でも西村さんと近藤さんだったらどれだけ良かったかと思いましたが、仕方ない。でも、当時の初演は稽古不足も甚だしくて、思い出したくないという近藤さんの談話もありましたが、良かったですよ。

 松本幸四郎一家の為に作られた「マトリョーシカ」も絶品です。
 ミステリーも書くんだよね〜三谷さんって感じで、最後には何故かもの悲しい感じは、ゴーリキーの作品を思い出しました。

 TV放送の『王様のレストラン』(95年)のビデオはウチの家で伸びまくるほどの使用頻度ですが、続編でないのかな。
 伊藤さんが亡くなられて非常に悲しいですが、三谷さんチームはまだまだ元気な役者さんばかりで、ますます楽しみですね。

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【2004/12/02 00:00】 | 三谷幸喜 | trackback(0) | comment(0) | page top↑
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